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2008年12月16日 (火)

大変な世の中になりました(セーフティネットのない非正規労働者を誰が守るのでしょうか)

 今日は、池内です。昼間は暖かくなりましたが、今朝方は寒さの厳しい日でした。

 さて、今年の言葉は【変】だそうですが、派遣やパート等の非正規労働者にとっては《大な年の暮れ》となりましたね。

 昨夜7時半から8時45まで放映されたNHKの『セーフネット クライシス2』では、目下大問題となっている非正規労働者の問題が取り上げられました。

 今回の特集は“非正規労働者を守れるか?”がテーマとなっており、ご覧になった方も多かったと思いますが、まさにタイムリーなテーマでした。

 米国発の金融危機は全世界に波及していますが、我が国でも急激に株価が下落し、円高の進行と需要減退により輸出産業はその影響をモロに受けつつあります。

 特に影響の大きい自動車産業では、派遣や期間労働者等の非正規労働者を率先して解雇する動きに出ており、今大きな社会問題・政治問題となっています。 

 ただでさえ不安定な非正規の労働者が突然解雇され、働く仕事も住む所すらなくこの寒空に路頭に迷う事態の発生に、この国は【変】になったと大方の人は感じているのでないでしょうか?

 小泉内閣が景気回復を優先し、構造改革と称して財界など大企業に有利な派遣業務の拡大を進めてきた結果が現在の不幸な事態を招いたことは既に明確になっています。

 今や日本の非正規労働者の割合は総労働者の37.8%を占める異常事態となっているのです。イギリスは5.8%、アメリカは12.9%、ドイツ、フランス、イタリアなどの各国も15%以下と低いのに日本だけが突出しています。

 そのお陰でこの間までの好況で大もうけした企業が、それを支えた労働者への利益の還元も行わないでおいて、いざ不況となると真っ先に全く抗議もできない弱い非正規労働者から首を切っていく。それが今の日本なのです。

 番組の中で企業を代表すると思われる「経済同友会」の「門脇秀晴氏」は、“企業が生き残るためにはやむ終えない。”旨の発言をしていましたが決して許されることではありません。

 特に同氏は、経財同友会の「社会保障改革委員会の委員長」という重要な立場にある人間なのです。ちなみに同氏の発言はほとんど企業側の言い分でした。

 この間まで各企業が『コンプライアンス(法令順守)』を謳い、社会貢献が企業の存在意義のひとつ胸を張っていたのは一体なんだったのでしょうか?

 番組の中でも強調されていましたが、雇用の【調整弁】として便利な役割のみが強調され、非正規労働者のセーフティネットを整備してこなかったのは政治の責任です。

 そういったのは「大村秀章氏」です。同氏は自民党の衆議院議員で現在「厚生労働省の副大臣」です。しかし、自民党は動きません。

 シビレを切らした民主党などの野党3党は、昨日「派遣切りの防止」や「解雇者への住宅の貸与」など雇用関連の4法案を参議院に提出しました。

 “企業は社会保障への責任を果たすというメッセージを明確に出して欲しい”という「反貧困ネットワーク事務局長」の「湯浅誠氏」の発言は、これまで地道にこの問題などに取り組んでこられた同氏ならではのものです。

 膨大な宣伝費を使いテレビでコマーシャルを打つ大企業の社会的責任が問われており、今のままでは大企業と言えども世の中から背を向けられる時代が来るような予感がします。

 しかし番組での《オランダの非正規労働者への対応》の紹介には驚きました。なんと、今回の金融不況やそれによる解雇があっても労働者は驚かないというのです! 

 かつてオランダも今の日本と同じであったと言われます。1995年に当時の「ウイム・コック首相」の“社会保障のない派遣業は認めない”という断固とした決断が今の非正規労働者のセイフティネットを作り上げたと言うのです。

 オランダでは非正規労働者の賃金水準は正社員と同じで、失業しても3年間はその70%が保証されるといわれています。“我が国のなんと遅れていることか!”嘆きたくなりますね。

 オランダでは、財源としての消費税が19%(ただし、食料品は6%)と高く税金などの負担も日本に比べて高いようですが、企業と市民と国が協力し【安定した待遇と社会保障を実現する合意形成】に成功したのです。

 今回の金融不況に際しては、企業側が提案した賃金の抑制に対して、労働組合も同意したと言われています。総体として労働者を守るために何をなすべきかが良くわかっているのです。

 派遣や期間労働者等の非正規労働者の待遇改善やセイフティネットの構築が1日も早く早く実現するよう祈るばかりです。

 暗い話ばかりが多い中で、少しは希望の持てる話題もあります。

 今の経団連の「御手洗会長」の関連会社である「大分キャノン」の突然の非正規労働者1,200人の解雇について、地元の杵築市が対策を発表しました。

 同市では、希望者を来年3月まで最長1カ月間臨時雇用し、住居も提供するとしています。この16日から既に受付が始まりました。

 オランダでも当初は企業の抵抗が強く制度ができるまでに3年かかったったそうです。我が国はまだこれからです。

 しかし、現在起きている問題への対処は急ぎます。《杵築市のような緊急対策》を多くの市町村が協力して行えば多少の被害の緩和はできるでしょう。

 該当企業に期待が持てないとするなら、国や地方自治体が何とかするしかないのではないでしょうか。

 この問題は、国民が我が国の将来を考える上で重要な問題提起をしていると考えます。関心を持って今後の推移を見守りましょう。

 来年こそが皆んなが期待の持てる革の年》でありますように。では、これで失礼します。

 

  

 

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